紙本縦一二四×横四四㎝
以下の翻刻・訓読・現代語訳・語注は村井道明氏のご教示による。

鳥皮沽石氣 湘帙染林氛
綆取渓中水 渓中半是雲
晋帥
訓読
鳥皮は石氣を沽(か)ひ、
湘帙は林氛を染む。
綆(つな)して 渓中の水を取り、
渓中の半ば是れ雲なり。
現代語訳
鳥の羽毛は、岩間から立ちのぼる冷気をまとい、川の色までも、森に漂う気配を染め取っている。
綱を垂れて渓の水を汲めば、その渓の水の半ばは、実は雲そのものなのだ。
語注
【鳥皮】ちょうひ。鳥の羽毛。鳥の羽毛の衣。
【沽】売る。買う。与える。帯びる。含む。
【石氣】せきき。岩石から立つ気。岩の冷気。霧気。
【湘帙】しょうちつ。湘江の色を帯びた巻物、転じて川の色。
【林氛】りんふん。林に立ちこめる気。林の霧気、気配。
【綆】つな。水を汲むための綱、縄。
【渓中半是雲】渓谷の水面に空の雲が映り込み、谷そのものが雲に半ば満たされているように見える。
メモ
*落款に菅氏晋帥 及び 礼卿 と読めるので菅茶山と一致する点が多い。
*菅 茶山(かん ちゃざん(さざん)、延享5年1748~文政10年1827は、江戸時代後期の儒学者・漢詩人。諱は晋帥(ときのり)。字は礼卿。通称は太仲・太中。幼名は喜太郎、百助。備後国安那郡川北村(現広島県福山市神辺町)の出身。(wiki)


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