書き物

亀田鵬斎 詩書 金龍

紙本縦□□□×横□□㎝
以下の翻刻・訓読・現代語訳・語注・コメントは村井道明氏のご教示による。

撮影:四国大学 / 分類:20230909-J96

翻刻

金龍山畔江月浮 江揺月湧金龍流
扁舟不住天如水 兩岸秋風下二州
鵬斎老人書時年七十二

訓読

金龍(きんりゅう)山畔(さんはん) 江月(こうげつ)浮(うか)び、
江(こう)揺(ゆ)らぎ 月湧(わ)いて 金龍(きんりゅう)流る。
扁舟(へんしゅう)住(とど)まらず 天 水の如し。
両岸の秋風 二州(にしゅう)を下る。

現代語訳

金竜山のほとりの隅田川の水には月が浮かび、
川の波が揺れて月光が湧き出るように見え、まるで黄金の竜が流れて行くようだ。
私の乗っている小舟は止まることなく、天は水のように澄みきっている。
両岸から吹く秋風のなかを、武蔵・下総の二国を今下りつつある。

語注

【金龍山】浅草観音を金龍山浅草寺といった。墨田川のほとり、待乳(まつち)山をいう。
【二州】武蔵・下総の二国。

コメント

「夜下墨水」(夜、墨水を下る)と題し、服部南郭『南郭先生文集』所収。墨水は隅田川を中国風に読んだ雅名。

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