扇面・団扇

扇面 鵬齋老人書 七言絶句 詩書

紙本扇面
以下の翻刻・訓読・現代語訳・語注は村井道明氏のご教示による。

撮影:四国大学 / 分類:手鑑2-30-4

莫謂身非多幸身 醉過人有七十春
自憐御流癯儒内 如我風顚無一人
辛巳春之夕 鵬斎老人書

訓読

謂う莫れ身の多く幸なる身に非ずと。
醉い過ぐること人は有り七十の春。
自ら憐れむは御流の癯儒の内。
我が如き風顚なるは一人も無し。

現代語訳

自分の人生は、そんなに恵まれてはいないなどと、みずから卑下して言うものではない。
人並み以上に酒を楽しみながら、もう七十回も春を迎えることができたのだから。
我ながら細身で貧しい学者ぐらいにしかなれなかったことを、少しは不憫にも思うが、この世に、私のように風のように自由気ままに生きてこられた者は、ほかには一人もいないだろう。
辛巳の年の春の夕暮れに、鵬斎という老いぼれが記す。

語注

【醉過人】人並み以上に酒に酔う。
【御流】身を世の流れに任せて生きること。
【癯儒】くじゅ。痩せた(貧相な)儒者。
【風顚】ふうてん。風狂・風流人のように、常識にとらわれず奇抜で奔放なさま。
【辛巳】文政四年(一八二一)。

メモ

『近世漢学者詩人 遺墨集』21頁の作品。

書簡2-30-1に出てくる亀田鵬斎に依頼した書き物と思われる。七言絶句。最後を「辛巳春三月 鵬齋老人書」と読むなら文政四年に相当するが、書簡2-30-1で春足が江戸下向したのは文政七年なので、鵬齋に依頼して書いてもらったとすると矛盾する。

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
ブログランキング(にほんブログ村)に参加しています。クリックで応援いただけると、たくさんの方に知ってもらいやすくなるので大変助かります。

にほんブログ村 歴史ブログ 江戸時代へ
にほんブログ村
↑ こちらをクリック ↑

シェアする

コメント

タイトルとURLをコピーしました