紙本扇面
以下の翻刻・訓読・現代語訳・語注は村井道明氏のご教示による。

汲泉灌樹趁昏黄 竹杪依瀬猶夕陽
浴羅呼杯杯未到 一盆茉莉細風香
夏日園居十五首之一 襄
訓読
泉を汲みて樹に灌ぎ、昏黄に趁(お)う。
竹杪は瀬に依りて、なお夕陽あり。
羅を浴して杯を呼べども、杯いまだ到らず。
一盆の茉莉、細風に香る。
現代語訳
泉の水を汲んで木々に水をやっているうちに、あたりは黄昏の色になっていく。
竹の梢は小川のほとりに寄りかかり、その向こうにはまだ夕日が残っている。
うすものの衣をまとって湯浴みし、酒杯を持ってこいと声をかけたが、まだ杯は手元に届かない。
そのとき、そよ風に乗って、一鉢のジャスミンの花がかすかに香ってくる。
語注
【昏黄】こんこう。日の暮れ方。黄昏。
【杪】こずえ。木の先。
【羅】ら。うすもの。
【茉莉】まつり。モクセイ科の常緑低木。ジャスミンの一種。
【夏日園居】夏の庭での閑居・隠棲の情景。


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