書簡

六々園宛て五老書簡 文丸春興帳御歌は確かに到着 文丸の怠けにより清書出来ず延引 為替金子も阿波屋へ預け置いたまま

撮影:四国大学 / 分類:手鑑2-29-3

暑中御安寧御座候趣
奉察居候然は文丸春興
帖御歌共被遣慥ニ到着
仕候然處右文丸事?(は?)
以之外懈怠なる性にて
今以右の清書等私方へ持来も
不致一向麁略之?方ニて候
依之いよゝ板行成就も致
候事ニ候ハゝ為替金子も相?
可申と存候間いまた金子ハ
阿波屋へ御預ケ置申候此節
ぞうやう右之支度も可致や
之風聞ニ有之候
先御報迄如此御座候以上(?)
六月十三日

尚々五十人一首両三度
出来仕り候集覧も来月ハ
出来候事?????(と奉存候?)

気づき

○文丸春興帳延引について 粕谷宏紀著『石川雅望研究』文政元年戊寅1818の項に次の記載あり

極月、「文政己卯春興帳」(北渓画・中一冊)を撰す。題簽に 文政己卯春興集 六樹園撰 全 □狂蝶子文麿の序文に「文政三年庚辰陬月」とある。序文によると本書は、文政元年に終わり、翌二年春に刊行するはずであったが事情(不明である)によって、文政三年正月に刊行が延引されたという。文政三年の項(二五八ページ)参照

この「事情(不明)」が、この書簡によって文丸(麿)の「懈怠」によるものと判明する。

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