
六月十四日御認之善(華?)書相達
辱拝見仕候此節残炎苦
熱(?)難凌御座候処益御
壮勇可被為入(????)奉賀寿候随
而拙?大??仕候間?
御休意可被下候然は鰒
玉入之哥之義追々御(?)
越も可有之候よし何卒
一日も早く奉待入候
一四帝論いまた成就は
出来不申候
一伊勢物語俗文瀬辺
氏迄遣し申候間御?
覧之上御評御書入
御かへし可被下候
一?夜の物語之?
此節書かゝり居申候而
御?御座候間御しらせ
可被下候是は無程出来仕候
つもりニ御座候
一東日記之儀承知仕候
則老翁へも御書之趣
かたり候処いまた手?
さへ不申候よし申居候此
節多忙老衰とてもとても

急ニは参申間敷候猶(?)
御許よりも御せめ被成候
方可然奉存候いかなる
書ニや拙生いまたみす
早く見度事也
一しれもの拾遺早く見ま
ほし拙子万?をこものかたり
も十ケ條あり後便ニ見せ
奉るへし
一此節〇続風土記取調仕
源(?)越日々右之役所
罷出候間扨々多忙
ニ(?)御座候然れとも学業は
たゆましとリキミ申候
カラリキミ可成奉存候
一大和物語長々拝借
仕候猶今暫し御
かし可被下奉希候
先は右等(?)申上度サツト
如此御座候盆後万々
可申上候以上
七月二日

近詠御詞ニあまえて
奉入御覧候以上
猿
大江山さゝ栗おつる夕くれの
あらしの末にましらなく也
虎
大空をかけらふ龍におくれしと
とくの心やあらひそめけん
牛
大君の大御車ハくるしとも
うしともしらて牛や行くらん
かたつふり
かたつふりたんきことヽハ角たてゝ
露のまかきのあるしかほなる(?)
夏塵
ちりひちハあつさの数とつもりきて
まかきの山に吹風もなし

夏川
大井川闇をまつまの鵜かひ舟
しはしかしてよ月にうかへん
鴫??
ほとゝきすなく一声にあけし夜も
夢むすふまて夏ふけにけり
隣(?)まて秋やきぬらん中垣の
一むら薄ほに出にけり
是覚居候哥也
此節哥をよむこと
けしからぬ事也??
之哥也(???)
読み取れる情報
①六月十四日付け(春足)書簡拝見。
②鰒玉集に入れる哥はあつまりつつある由(?)、一日も早くお送り下さるよう、お待ちしております。
③「四帝論」(諸平の著作か?)未だ成就せず。
④「伊勢物語俗文」(諸平の著作か?)瀬部(春暁)へ送ってあるので評を書き入れ送り返して頂きたい。
⑤「?夜の物語の解(?)」(諸平の著作か)この頃書きかけており間もなく出来る。(以下不明)
⑥『東日記』の儀承知。老翁(大平)へもこの本について話したが未だ??さえしていない様子。老翁は多忙の上老衰も重なり急にはとても無理だろう。(春足が『東日記』について大平に評か何かを依頼したか?)なおあなたの方からも催促したらいいだろう。小生も早く読みたい。
⑦『しれもの拾遺』(『白癡物語』拾遺篇があったか?)早く読みたい。小生方にも「をこのものがたり」が十ケ條ほどある。後ほどお見せする。
⑧この頃『続風土記』御用で毎日出勤、超多忙。それでも学業は怠らぬよう力んでいるがカラリキミか。
⑨)『大和物語』長々拝借。いましばしお貸しを。
⑩近詠十首添付。
⑪「此節」以下不明。
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