書き物

大窪詩仏 詩書 七言絶句

紙本縦二九×横二一㎝
以下の翻刻・訓読・現代語訳・語注は村井道明氏のご教示による。

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-66-1

二年倦客此初還 雪擁山程不易攀
却捨籃輿喚蓑笠 如飛經過碓氷關
詩佛老人

訓読

二年の倦客、此に初めて還る。
雪、山程を擁して 攀(よ)じるに易からず。
却って籃輿を捨てて 蓑笠を喚(よ)び、
飛ぶが如く経過す 碓氷の関を。

現代語訳

二年ものあいだ旅の客としてさすらってきて、ここへ帰ってくるのはこれが初めてだ。雪が山道を包み込んでいて、登るのはやさしいことではない。
そこで籠の輿を捨てて、蓑と笠を呼び寄せるように身につけ、飛ぶような足取りで、碓氷の関を通り過ぎていった。

語注

【倦客】けんかく。疲れた旅人。旅にあきた旅人。
【雪擁】せつよう。雪がとりかこむ。
【籃輿】らんよ。簡単な竹作りの駕籠(かご)。主として山道などに用いるもの。山駕籠。
【蓑笠】さりゅう。みのと、かさ。また、みのを着てかさをかぶること。
【碓氷關】うすいのせき。群馬県碓氷峠の東すそにあった中山道の関所。

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