書簡

六々園宛て五老書簡 病気快復 しれもの物語二、三章拝見おもしろく出来 宇治拾遺、春足への返却が遅れている

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?(閏?)八月二十八日之御書
到着拝誦御安泰
奉賀扨老夫事
賎恙大ニをこたり候而
此節は若人のやうニ
食物もたへ候仕合ニ候
悦(祝?)をり候御安慮可被下候
しれもの物語二三章
御みせ被下おもしろく出来
仕り候やいとうハ俗語と
おほえ候
宇治拾遺校合かへし
おこさす追々御届可申候
先御いそきと奉存候間
御草稿奉返上候以上
九月十六日
        五老拝
六々園大人
尚々岳亭金子入候
御状被遣慥ニ相届申候

語注

*?(閏?)八月二十八日 (書簡2-40-3冒頭参照)もし「閏」と読むならば八月に閏月があったのは文政七年である。春足は文政七年春に江戸下向しているので「しれもの物語二三章御みせ被下」とも矛盾しない。

気づき

○①病気快復 ②しれもの物語二、三章拝見おもしろく出来 ③宇治拾遺(春足への)返却が遅れている
○しれもの物語 (『白痴物語』)の刊行は文政八年(1825)。同書巻之下に「児の夜泣したるにもぐさやきたること」という一章があり「やいと」の話が出ている。しかし「やいとう」という詞はなく「もぐさやく」という語になっている。雅望のこの助言を得て「もぐさやく」の形にあらためられたか?

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